これが東京!?昭和を駆け抜けた東京の変貌ぶりを追ってみた!

63年と1ヶ月間の時間を過ごした昭和の時代。今から約28年~91年ほど前ということになりますが、この間に街の風景が随分変わったことを実感されている方は多いのではないでしょうか。都内の有名なスポット、普段行き来していた身近な駅、商店街など、ほとんどのところが時間の経過とともに大きく変わり、特に、都市開発が行われたところは、街全体が栄え非常に便利になっています。
見慣れた土地や建物が大きく変わってしまうと、そのときは嬉しく思ったり寂しく感じたり…、と複雑な気持ちを抱くもの。しかし、時が経つにつれ、昔の街並みは徐々に忘れ去られてしまいがちです。そこで、東京の象徴といわれる昭和の風景を、懐かしい画像とともに振り返ってみましょう。
昭和のレトロな街並みについては、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
>>>昭和レトロな町並みでタイムスリップ!今すぐ訪れたい幻風景の厳選情報
【日本橋】
江戸、そして日本の中心にある橋であることから「日本橋」と呼ばれるようになった、とても美しい橋。この日本橋は、1604年、江戸時代に、全国に通じる五街道の起点として定められました。以来、何度も作り変えられ、現在ある日本橋は1911年(明治44年)につくられた19代目「石造二連アーチ橋」なのだそうです。その後、1999年(平成11年)には国の重要文化財に指定されています。
<画像1/1933年(昭和8年)の日本橋>
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%A9%8B_(%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%83%BD%E4%B8%AD%E5%A4%AE%E5%8C%BA)
<画像2/1946年(昭和21年)の日本橋>
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%A9%8B_(%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%83%BD%E4%B8%AD%E5%A4%AE%E5%8C%BA)
<画像3/1956年(昭和31年)の日本橋>
http://www.nihonbashi-michikaigi.jp/history.html
<画像4/1967年(昭和42年)の日本橋永代通り付近>
https://metroarchive.jp/pic_year/year1960/%E8%B7%AF%E9%9D%A2%E9%9B%BB%E8%BB%8A%E3%81%8C%E8%B5%B0%E3%82%8B%E6%B0%B8%E4%BB%A3%E9%80%9A%E3%82%8A%EF%BC%88%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%A9%8B%E4%BB%98%E8%BF%91%EF%BC%89.html
画像4は、ちょうど昭和42年ごろの日本橋付近の街並み(永代通りと中央通りが交差している付近)。左側の建物は白木屋ですが、同年9月に東急百貨店日本橋に改称。平成11年に閉店し、現在はCOREDO日本橋が建っています。
また、この写真には路面電車が走っているのがわかりますが、いかにも昭和の雰囲気を醸し出しています。高田馬場駅前から茅場町まで、都電15系統が入っていました。
ちなみに、現在都内を走る路面電車は、東急世田谷線と都電荒川線(早稲田~三ノ輪橋)のみ。ただ、世田谷線は道路とは隔離された線路の上を走っているため、車道で車と並んで走る荒川線の方が、より昭和のなごりを感じることができるかもしれません。
<画像5/2016年(昭和28年)3月の永代通り日本橋付近>
※グーグルストリートビュー
画像5は、画像4(永代通り日本橋付近)の現在の画像です。左がCOREDO日本橋で、右がベルサール東京日本橋。この永代通りの真下を東京メトロ東西線が走っています。東西線は、中野から西船橋までつなぎ、途中高田馬場、茅場町を通過します。ちょうど画像4の路面電車の経路を、現在の東西線が走っていることになりますね。
<現在の日本橋>
http://www.nihonbashi-tokyo.jp/active/cruise.html
現在の日本橋の直上には首都高速道路が走っています。これは、1963年(昭和38年)に建設されたもの。日本橋発着の周遊クルーズでは、美しい昼と夜の日本橋の景観を見ることができます。
【東京タワー】
港区芝公園にそびえ立つ東京のシンボル「東京タワー」。正式名称は日本電波塔です。1957年(昭和32年)6月29日に建設が開始され、完成したのは1958年12月23日。昭和34年に開業させるために、例にないスピードでとりかかったこともあり、たったの1年半で完成。あれだけの立派な建物が、こんなに短期間で出来たとは、本当に驚きです。
また、当時の東京タワーの周囲の街並みがわかる画像が複数のWebに掲載されていましたが、そのほとんどが白黒写真で、周りは緑が多く、外側の建物に高層ビルは見当たりません。60年前の港区周辺の様子がまだのどかだったことがよくわかります。
<1957年(昭和32年)ごろの東京タワー>
http://www.albatro.jp/birdyard/architecture/tokyo-tower-history/index.htm
建築スタートしたころの写真です。周りはまだ何もない状態のためか、作りかけのタワーが異常なほどに大きく見え、また周囲の雰囲気とマッチしていないため異様さを感じます。今は、周りに近代的で大きな建物が立ち並んでいること、自分が見慣れたことが相まって、不自然さなどは感じられず、むしろ東京にぴったりなシンボルとして街にとけ込んでいるように見えます。
<1958年(昭和33年)6月ごろの東京タワー>
http://showa.mainichi.jp/photo/2008/12/post-1b55-13.html
高さ132メートルほどまで建設が進んだ東京タワーです。
http://www.albatro.jp/birdyard/architecture/tokyo-tower-history/index.htm
徐々に高くなってきていますね。
<【左】2009年(平成21年)ごろの東京タワーと【右】1960年(昭和35年)ごろの東京タワー>
http://showa.mainichi.jp/photo/2008/12/post-1b55-47.html
(参考:毎日新聞>昭和毎日)
こちらの写真を比べてみると、現在は増上寺周辺の緑が残されているだけで、他は高層ビルが犇めき合って立っているのがわかります。50年の年月で、ここまで大きく変えてしまう人間の力に改めて驚かされます。
<2016年11月の東京タワー>
http://car-moby.jp/101633
東京タワー大展望台の入場料は、大人900円。高さ150mの位置から見下ろせば、現在の平成の街並みを楽しむことができます。とにかくタワーから眺める夜景が美しいため、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
【新宿】
高層ビルが立ち並ぶ西新宿。昭和から平成にかけて次々と新しいビルが誕生していきました。その移り変わりを見てみましょう。
日本初となった超高層ビルは「京王プラザホテル(本館178メートル)」で、1971年(昭和46年)6月5日に開業しました。その後、京王プラザホテルの高さを追い抜いたのが1974年4月に完成した新宿住友ビル。
そして、1974年(昭和49年)6月にKDDIビル、1974年9月に新宿三井ビル、1977年3月に安田火災海上保険本社ビル、1978年5月に野村ビル、1979年10月に新宿センタービル、1982年(昭和57年)10月にNSビルと続きました。
<1970年(昭和45年)の新宿>
高層ビルが建つ前の新宿。左に甲州街道が見えますが、新宿とは思えない風景です。
<2005年(平成17年)の新宿>
http://www7a.biglobe.ne.jp/~skystudio/sub32.html
変貌を遂げた新宿です。
<1973年(昭和48年)の住友ビル>
http://www7a.biglobe.ne.jp/~skystudio/sub32.html
<1980年(昭和55年)の新宿>
http://www.panoramio.com/photo/15651745
手前から、KDDIビル、京王プラザホテル、新宿住友ビル、三井ビル。
東京都庁舎の建設が始まったのは、この8年後のことです。昭和の最後63年(1988年)4月に着工、平成2年12月に竣工しました。
私が新宿住友ビルの上階で働き始めたのが昭和61年。ちょうど昭和の時代が終る頃、都庁の基礎工事から竣工までを、オフィスの窓からずっと見ていました。土を掘り返しているときは、完成なんて果てしなく先のことと思っていましたが、人の力はすごいもので、あれよあれよという間に大きな建物が出来あがっていったのを思い出します。
遠くからでも目に見える形で昭和の発展を知らしめてきた西新宿。ビルの建設開始から60年経過した現在、もうビルを建てる隙間がないほど、ぎっしりといくつもの高層ビルが建ち並んでいます。今から30年後、40年後はいったいどうなっているのか、自身の目で見るのが今から楽しみです。
【東京駅】
1914年(大正3年)に開業した東京駅。重みある上品な外観の丸の内駅舎は、創建された当初から東京のシンボルとして人々から親しまれてきました。1923年(大正12年)の関東大震災では大きな被害を受けることはなかったのですが、1945年(昭和20年)の空襲時の火災で、屋根など一部が焼失。
しかし、戦後1947年(昭和22年)に3階建てから2階建ての駅舎に復興。その後、2007年(平成19年)~2012年(平成24)にかけて免震工法による工事が行われ、失われたドームを3階建ての創建当時の姿に復原。
高層駅ビルに生まれ変わらせることなく、当時の姿を維持しつつ最新の技術による安全性をプラスした平成の東京駅が完成しました。大正、昭和、平成と時代が変化するに伴い、多くの駅、街並みが進化を遂げていますが、東京駅はあえて昔からある外壁などを残したまま生まれ変わらせることで、なつかしさと新しさの両方を最高に活かすことができた建物といえるでしょう。
<大正3年創建当初の東京駅>
http://coolkai.blog129.fc2.com/blog-entry-623.html
当時の東京駅は3階建てでした。
<昭和30年ごろの東京駅>
http://bc6745de.sakura.ne.jp/ehagaki/sub35.htm.htm
ドームの部分がなくなり2階建ての姿になっています。
<復原された現在の東京駅>
http://archiscape.lixil.co.jp/feature/vol01/
ドームの部分が再現され、3階建ての創建当時の姿に復原されました。
【まとめ】
昭和の東京を感じさせる風景をご紹介しましたが、皆さんの街も驚くほどの発展を見せていることと思います。時間の経過とともに街が発展することはとても喜ばしいことですが、こうして振り返ると少し寂しい気持ちも浮かんできますね。
昭和の東京の写真やご自宅近辺の写真など、たまにはなつかしい写真を見ながら、当時のさまざまな場面を思い浮かべてみてはいかがでしょうか。
昭和の商店街が懐かしい!こちらの記事に詳しく書いてありますので、見てみてください!